アーモンド

アーモンドの基礎知識

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アーモンド(英名:Almond、学名: Prunus dulcis、シノニム:Amygdalus dulcis)の分類は、バラ科サクラ属、高さ5~6mぐらいになる落葉高木です。

アーモンドの花

日本では3月中旬~4月下旬に葉のない枝に桜とよく似た白色・桜色・桃色の花弁の端に小さな切込みの入った花を桜同様一斉に咲かせます

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桃、杏、梅などに近い植物です。桃や梅は果肉を食べますが、アーモンドは果肉が薄く食用にはなりません。種の中に一つずつ入っている「仁」の部分を食べます。

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アーモンドの歴史

原産はイランを中心とするアジア西南部の高原や山地。現在では南ヨーロッパ、アメリカなどで栽培されており、アメリカのカリフォルニア州が最大の産地です。

元々、アーモンドと桃は同じ種類でしたが、地殻変動により隆起した中央アジア山脈が中東と東アジアに隔て、それぞれの地域で異なった進化をしました。

桃は中国の湿度の高い低地を中心に育ち、アーモンドは乾燥した西アジアから中央アジアの砂漠などで自生するようになりました。
その後、西アジアから中央アジアの乾燥した暑い夏と雨が多く温暖な冬の地域で様々な風味を持つ実をつけるように多様化しました。やがてアーモンドの実が食用に適することを発見し、特に遊牧民の携帯食として珍重されました。
シルクロード沿いは、遊牧民や旅人が落としたアーモンドで野生の林となったといわれます。こうしてアーモンドは交易路や古代都市を中心に自生範囲を広げていきました。
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アーモンドは紀元前4000年頃には、メソポタミアのどの古代文明でも食されるようになりました。人類が樹木の栽培を始めた時期と重なり、アーモンドはチグリス・ユーフラテス流域からヨルダン、イスラエルといった地中海沿岸へと栽培が広がりました。
地中海性気候<暖かな春、暑く乾燥した夏、温暖な秋、雨の多い冬>がアーモンドの栽培に適していたため、さまざまなアーモンド料理とともに、特にヨーロッパではお菓子の材料として広まっていきました。
古代エジプト紀元前1352年、ツタンカーメンが亡くなると王の墓に死後の旅路の食糧としてアーモンドが入れられたと記述が残されています。また、アーモンドが旧約聖書にたびたび登場することからも、古くから貴重な食物であったことがわかります。
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カリフォルニアへは18世紀の中頃にスペインの宣教師フニペロ・セラ神父によって運ばれたといわれています。
セラ神父の功績はその伝導活動に留まらず、ミッション(伝導所)の周辺にアーモンドやぶどうを植え、今日のカリフォルニアにおけるアーモンド産業やワイン産業の礎を築いたといわれています。
その後ゴールドラッシュ以降の農業の発達と共に栽培が拡大されていきました。
アーモンドの栽培に適した天候、肥沃な大地、大規模な灌漑、合理化され機械化された農業技術と栽培方法により、カリフォルニアは世界最大のアーモンド生産地に発展しました。
日本へは1950年代に本格的な輸入が始まり、お菓子の材料やスナック等、幅広く食品や料理に利用されています。